家庭、園・学校、発達支援事業所で子どもの様子を共有するとき、役立つのが短い「引き継ぎノート」です。毎日を詳しく書く必要はありません。大切なのは、評価ではなく事実を残し、うまくいった支援を次の場面につなげることです。
■ 1. 「困った」より先に、見えた事実を書く
「落ち着かなかった」だけでは、受け取る側が同じ状況を想像できません。「教室に入って5分後、耳をふさいで廊下へ移動した」「予定表を見せると席に戻れた」のように、いつ・どこで・何が起き、その後どうなったかを短く書きます。本人の気持ちは断定せず、「不安そうだった」ではなく表情や行動を記録します。
■ 2. うまくいった関わりを必ず1つ残す
支援の共有では、難しかった場面だけが増えがちです。しかし次の担当者が知りたいのは、本人が動きやすくなった方法です。「二つの選択肢にすると選べた」「終了2分前に予告すると切り替えられた」「静かな席では最後まで参加できた」など、再現できる工夫を1つ残します。
■ 3. 1週間単位で振り返る
日々の記録に加え、週末に「今週よくできたこと」「繰り返し難しかった場面」「来週試すこと」を1行ずつまとめると、変化を追いやすくなります。体調、睡眠、服薬、行事など普段と違う条件も添えると、行動との関係を見直せます。
■ 4. 本人と保護者の同意を前提に共有範囲を決める
ノートには個人情報や健康情報が含まれます。誰が読むか、どこで保管するか、写真を載せるかを事前に確認します。緊急性のある内容や判断が必要な相談は、ノートだけにせず、電話や面談で直接共有しましょう。
■ そのまま使える記入テンプレート
・日付/記入者
・睡眠、食事、体調など普段と違うこと
・本人が取り組めたこと
・難しかった場面(見えた事実)
・試して効果があった支援
・次の担当者に確認したいこと
【記入例】
8月16日/保護者。睡眠7時間、体調は普段どおり。登園前に予定変更を伝えると玄関で立ち止まった。写真付き予定表で変更後の順番を示すと、自分で靴を履いて出発できた。事業所でも予定変更時に写真を見せると切り替えやすいか確認したい。
■ 続けるためのコツ
毎日完璧に書こうとせず、3分で読める量にします。「次に試すこと」を一つに絞り、翌週に結果を確かめます。ノートは子どもを評価するためではなく、周囲の大人が同じ方向で支援するための道具です。できたことと有効だった工夫を積み重ねると、場所が変わっても安心しやすい環境を作れます。
※本記事は、こべサポの納品前動作確認として登録する公開QAデータです。内容は一般的な情報であり、個別の医療・療育判断に代わるものではありません。

