IPPOの米澤です!
- 「何度言っても忘れてしまう」
- 「じっとしているのが苦手」
- 「宿題を始めるまでに時間がかかる」
- 「気持ちが高ぶると、なかなか切り替えられない」
ADHD(注意欠如・多動症)のあるお子さまを育てていると、こんな場面に出会うことがあるかもしれません。
ついつい「ちゃんと聞いて!」「何回言ったら分かるの?」と言いたくなることもありますよね。
でも、こうした行動の背景には、「やる気がない」「言うことを聞きたくない」ということではなく、注意を向け続けること、行動を切り替えること、衝動を抑えることなどの苦手さが関係している場合があります。
大切なのは、叱る回数を増やすことよりも、その子が行動しやすい環境や伝え方を一緒に見つけていくこと。
今回は、家庭で取り入れやすい7つのコツをご紹介します。
① 指示は「短く・具体的に」
「ちゃんと片付けて!」
だけでは、何をすればいいのか分かりにくいお子さまもいます。
そんなときは、
- 「おもちゃを箱に入れよう」
- 「次はランドセルを置こう」
など、一度に一つ、具体的に伝えることを意識してみましょう。できたら次のことを伝える。
一度にたくさん指示するよりも、一つずつ進めた方が行動しやすくなることがあります。
② 「見える化」を上手に使う
言葉で聞いたことを覚えておくのが苦手なお子さまには、「見えるようにする」工夫が役立つことがあります。
例えば朝の準備なら、
- 1. 顔を洗う
- 2. 着替える
- 3. 朝ごはん
- 4. 歯みがき
- 5. ランドセルを持つ
といった流れを紙に書いたり、イラストや写真で貼っておいたりします。
毎朝「早くしなさい!」と何度も声をかける代わりに、自分で次の行動を確認できる仕組みをつくってみましょう。
③ 「できていないこと」より「できたこと」を見つける
どうしても気になる行動が多いと、注意する回数も増えてしまいます。そこで意識したいのが、できた瞬間を見つけることです。
- 「すぐに靴を履けたね」
- 「自分から宿題を出せたね」
- 「最後まで座って食べられたね」
大きな成功でなくても構いません。できた直後に、具体的に伝えることがポイントです。
「えらいね」だけではなく、「一回言っただけで準備できたね」と伝えると、お子さま自身も「何が良かったのか」が分かりやすくなります。
④ 集中しやすい環境をつくる
宿題をしている横にテレビやゲーム、おもちゃがあれば、そちらに注意が向いてしまうことがあります。
そんなときは本人の集中力だけに頼るのではなく、
- 「机の上には宿題だけ置く」
- 「テレビを消す」
- 「必要のないものは視界に入らない場所へ置く」
など、気が散りにくい環境を先につくってしまうのも一つの方法です。
「集中しなさい」と言い続けるより、集中しやすい環境を整える方がうまくいくことがあります。
⑤ 長い時間頑張らせすぎない
「宿題が全部終わるまで座りなさい」
これが難しいお子さまもいます。そんな場合は、
- 「まず10分やってみよう」
- 「このプリント1枚が終わったら休憩しよう」
というように、取り組む時間や量を小さく区切ってみましょう。タイマーを使って、終わりが見えるようにする方法もあります。
短い時間でも「できた」を積み重ねていく方が、結果的に取り組みやすくなることがあります。
⑥ 気持ちが高ぶっているときは、まず落ち着く時間を
感情が大きくなっているときに、
- 「なんでそんなことしたの?」
- 「ちゃんと話を聞きなさい!」
と説明を求めても、うまく話せないことがあります。
そんなときは、その場で理解させようと急がず、気持ちが落ち着いてから話すことも大切です。
静かな場所に移動したり、少し時間を置いたり、その子なりに落ち着ける方法を一緒に探してみましょう。
⑦ 「その子に合う方法」を探していく
ADHDといっても、すべてのお子さまが同じ特徴を持っているわけではありません。
- 集中することが特に苦手な子。
- じっとしていることが難しい子。
- 思いついたらすぐ行動してしまう子。
- 忘れ物が多い子。
- 好きなことには驚くほど集中できる子。
一人ひとり違います。
だからこそ、「ADHDの子にはこの方法」と決めるのではなく、
「この子には、どんな方法ならうまくいくだろう?」
という視点で考えてみてください。
うまくいかなかった方法があっても、それは失敗ではありません。
「この方法は、この子には合わなかった」と分かったことも、大切な発見です。
保護者だけで抱え込まず、周りを頼ってください
子育ての工夫だけですべてが解決するわけではありません。
家庭で困りごとが続いている場合や、学校生活などにも大きな影響が出ている場合には、学校や園、医療機関、自治体の相談窓口、児童発達支援や放課後等デイサービスなど、専門家や地域の支援につながることも大切です。
家庭だけで頑張るのではなく、「この子には、どんな環境や関わり方が合っているのか」を周りの人たちと一緒に考えていく。
それも、大切な子育ての方法の一つです。
※本記事は一般的な情報をお伝えするもので、お子さま一人ひとりの特性に対する診断や治療を目的としたものではありません。気になることや生活上の大きな困りごとがある場合は、医療機関や専門機関等へご相談ください。

